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このブログは雑記ではありません。 管理人進葉マリスの所持するゲームの簡単な感想を述べるコーナーです。
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番外編:『バディミッションBOND』の凄さ


2021年、任天堂とコーエーテクモゲームス内の女性向けゲーム開発チーム
「ルビーパーティー」による共同制作となったアドベンチャーゲーム
『バディミッションBOND』が発売された。
筆者は遅れて購入、さらにクリアも遅れてクリア。
そして終盤にたどり着いた頃にこのゲームの凄さを感じた。
ただストーリーが素晴らしいだけではない、
ゲームとしても素晴らしいゲームだったと感じた。
その成果もあったのか2021年ゲーム大賞を受賞することになった。
今回はそんな『バディミッションBOND』の魅力を語りたいとと思う。

『バディミッションBOND』は正義感あふれる元刑事のルーク、
力任せに暴れる怪盗「ビースト」アーロン、
忍者のような動きと軽い表情と鋭さを秘めたおじさんのモクマ、
変装と催眠を駆使して邪悪な者達を破滅や自殺に追い込む「仮面の詐欺師」のチェズレイの
個性も性格もバラバラな4人が二人1組のバディを組んで
犯罪組織「DISSCARD」を追うという物語。ちなみに「BOND」とは
「Beast」「Outwitter」「Ninja」「Doggie」の頭文字から。

このゲームの魅力はまずストーリーとキャラ。ストーリーは序盤は数多くの謎を残しつつも、
終盤には蓄積されていった謎が少しずつ解明されていく。
こちらの予想を覆すような真相や数多くの設定を活かしたキャラの絶妙な配置、
時にはケンカをし、時に憎しみを抱いたりしながらも最後にはお互いを信じあう
最高のパートナーとなるバディ達など見所は多い。
これらのストーリー演出はまるで漫画のようにコマ割りや吹き出しで表現されている。
チャプターセレクトも完全にジャ〇プ漫画の単行本風。
さらにはゲームを進めることで解放されるバディストーリーやサイドストーリーを見ると
キャラの過去や想いといった一面をさらに掘り下げたり、
ストーリーの裏側を知ることができる。
中にはクリア後に追加されたエピソードを見ると最終章の裏ルートが追加されるものも。

キャラもまた魅力的である。メインキャラを除くと
「チャック・フジ」とその娘「リンゴ・フジ」、「ネラーエ・トクダ」「ガコン」と
一部のキャラの名前がやや『逆転裁判』っぽいものの、
どのキャラも名前に引っ張られずに己の信念や個性を持って生きているのだ。
ネラーエも名前からして特ダネ中心に聞こえるが、
本心は偏見のない真っ当なニュースを人に送り届けるのが記者としての役目だと信じ、
そのために真実を追求するという姿勢がある。序盤に悪印象を与える宝石商の親子の子である
ノボルも目の前で起こる衝撃的な出来事(主にアーロンのせい)と
親のずさんな体制を見てきたからなのか、終盤学校の課題のために本などで学ぶより
自ら足で見識を得るためにマイカの人から直接聞いて学ぼうという姿勢を見せるなど
序盤からは想像できない成長を遂げる。
また、彼らの多くがルークたちとの出会いや出来事によって、新しい交流や進展、
新しい人間関係や進路と成長など最終的にどれも深く広いつながりを得ていく。
ここまでキャラを細かく描いていることがなんと素晴らしい事か。

個人的に面白いと感じたのが主人公であるルーク。
彼はわかりやすいぐらいの正義感あふれるキャラで、
人々を助けるヒーローになることを夢見ている。
それゆえに「信じる」「絆」など臭いセリフを多く吐く。
しかし、彼の場合は「絆」も「信じる」事も決して口だけではない、
実行する心意気を持っているのだ。
私が見てきた中で「絆」だの「平和」だのそういったセリフを口にするキャラほど
口だけで本当はそう思っていない、それらしい行動もせずに口だけ、
最悪相手の悪口や妨害までする事が多かった。だがルークは違った。
これらをすべて実現する力を持っていたからだ。相手を信じているから体を張って行動する、
多くの人々と出会い、理解し、それぞれがつながり、
支えてきたからこそ生まれた絆が世界を変えていく。
そういった人たちの力を借りて被害の犠牲を大幅に減らせたり、
苦しんでいる人たちを救ってきた。
そして自分のピンチや真実を知ったが故の深い絶望も苦しみながらも
これまでの出会いや仲間達によってなんとか乗り越えてきた。

もちろん彼一人の力ではない、全てはバディ達がいたからこそできたことでもある。
裏エンディングに至っては自分でも実現不可能な事だとわかっていながら
「ある事」を口にするが、最後の最後で本人も知らぬうちに
間接的な形でそれを実現させてしまう。
彼が「真のヒーロー」となった瞬間だと私は思った。
またそういった臭いセリフもチェズレイやアーロンがその性格や発言に
ツッコミや嫌味を入れるので全員がその思考に同調したりするような
異様な光景にもならずに済んでいる。

ゲームについても作りが非常に良い。例えばオートセーブやセーブ可能タイミングが
人々から情報を聞き出す調査パートの切り替え直前や
潜入を実行する潜入パートの長い道のりの途中など適切なタイミングで行える。
セリフも既読スキップもしくは全スキップ機能もあるので周回はだいぶ楽である。
調査パートでも担当するキャラを間違えたときにもしその時のバディが正解だったら
その人が割り込んで正解にしてくれたり、だいぶ前の情報を思い出せない時のために
その情報が出た時の出来事を「思い出す」というコマンドがあったり、
会話が失敗してしまった時のヒントも表示されたりとかなりの親切設計となっている。
その時に得た情報を元にしで進行する潜入パートだが2つのルートに分かれている。
どれがよいかはプレイヤーの好みで選択できる。正解はないのでやりやすい方を選ぼう。

潜入パートでも普通なら謎解きを終えたら道の解放演出が入り、
演出後にその場から再開されるのだが、
本作では謎解きで解放されたその道の直前まで自動的に移動するという
細かい配慮ができている。
残念ながら周回プレイ時は調査パートなどのパートそのもののカットはできないが、
裏エンディングの時はそれらがカットされる。
潜入パート中、画面に表示されたボタンを制限時間内に押すという
いわゆる「QTE(クイックタイムイベント)」があるのだが、判定は緩め、
だけど各章ごとのヒーローゲージによる高ランクを狙うなら
しっかりと狙ってやる必要がある・・・のだが、
実は別にアクションでなくとも調査パートだけでも
高ランクは取れるのでこのあたりのバランスも非常に良い。

それだけではない。なんと本作はTwitterの公式アカウントでキャラの誕生日などに
ゲーム同様の規模の専用シナリオが公開されるというファンサービスが行われているのだ!!
ここでもキャラの意外な一面を垣間見ることができる。そしてドラマCDや朗読劇などの
メディア展開も数多くある。
どうやら『BOND』の世界はまだまだ広がりそうだ。
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プロフィール
HN:
進葉マリス
性別:
男性
趣味:
ゲーム
自己紹介:
このブログの管理人。
あくとうポケモン
タイプ:あく・ゴースト
特性:スロースタートor神出鬼没
ぶんぷ:ローカル地方
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